■小ネタツイートLog【その12】 龍馬

 現在ツイッター(@yuna_fantasia)にて小ネタツイート垂れ流し中。
 新ネタは上記アカウントにてご覧ください。
 ※「同題遙か」記載のあるものはTwitterでの企画参加作です。(ハッシュタグ:#同題遙か)

【#111/同題遙か「癒」】
 開け放った障子の向こうの庭を眺めながら、彼女の膝に頭を預けて寝そべって。
 ゆっくりと髪を梳かれる指先の感触に眠気を誘われつつ、思い出話や他愛ない話をする。
 穏やかで何気ないこの時間が最高の癒しのひととき。

【#112/同題遙か「証」】
 十年経っても、あの頃の記憶は鮮明に胸に焼きついていて。
 なのに何故逢えない?
 すべて夢の出来事だったのだろうか?
 いつも懐に大事にしまっているガラスの欠片を日にかざしてみた。
 きらきらと光を放つ欠片は彼女が存在していた証。
 だから必ずまた逢える── そう確信した。

【#113/同題遙か「支え」】
 くらり。力を使えば必ず襲ってくる目眩。
「── っと、大丈夫かお嬢?」
 傾いていく身体は彼の腕が支えてくれた。
「ちっと休もうぜ」
 木陰へ導こうとする彼を引き止めて、その胸に甘えるように額を押し付ける。
 大丈夫、こうして支えてもらえれば、最後まで立っていられるから。

【#114/同題遙か「もえる」(龍馬+都)】
「なあ都……お前らの世界じゃ、丈の短い格好ってのは普通なのか?」
「ああ、ゆきの服?  あれ可愛いよな……って何顔赤くしてんだよ」
「いや、なんかこう、なぁ……」
「はは〜ん、お前、絶対領域に萌えてんだろ」
「も、もえ?」
「スカートとニーハイの間に見える肌」
「っ!」

【#115/同題遙か「穴」(龍馬+α)】
「そうかー、絶対領域かー」
「……何のことだい?」
「おお夢の屋!  お嬢の足のここ、絶対領域っていうらしいぜ!」
「…?」
「僅かに見える肌!」
「ああ……っ」
「……坂本も福地も赤い顔して気色悪いな。 ああ、これが『同じ穴のムジナ』ってヤツ?」

【#116/同題遙か「枕」】
 はふ、と小さなあくびが出た。
「お嬢、眠いなら、いつも膝枕してもらうお返しに、今日は俺が膝を貸すぜ」
 と胡坐の腿をぺちんと叩く。
「お返しだなんて……いつも腕枕してもらってますよ?」
 ふわりと包まれたと思ったら身体が横に倒れた。
「んじゃ腕を貸すとしようか」
後は揃って夢の中。

【#117/同題遙か「赤」】
「ふふっ、可愛い」
 ゆきは腕の中ですやすや眠る赤ん坊の頬をそっと撫でた。
 茶屋で隣になった若夫婦の子だ。
 その姿に龍馬は思わず目を細めた。
「いいもんだなぁ」
「え?」
「赤ん坊を抱いてるお嬢がさ。 早く家でそういう姿が見たいもんだぜ」
 ゆきは真っ赤な顔で小さく頷いた。

【#118/同題遙か「阿吽」】
 社におわす神を守るように鎮座する一対の狛犬。
「口を開けてる方が阿形、閉じてるのが吽形。 始まりと終わりって意味らしいぜ」
 その時、阿形の頭に小鳥が舞い降りた。
「あっ」
「うん?」
 振り返った龍馬と目が合う。
 なんだか可笑しくて同時に吹き出した。
 ── これも阿吽の呼吸?

【#119/同題遙か「短」】
 胡坐をかいた龍馬は、ある衝動にかられるのを必死に堪えていた。
「……あ」
 頭上から降ってくる戸惑った声。
 彼女が前髪を結んでくれようとしているのだが、龍馬の髪は結ぶには短すぎる。
 そして龍馬は衝動に負けた。
 目の前にある彼女の身体を抱き寄せ、その胸に顔を埋めたのだ。

【#120/同題遙か「待」】
「江戸へ、私が会いに行くの」
 荒れた地で確かに聞いたその言葉を頼りに、ようやく見つけた剣術修行という口実で土佐を出た。
 約束の指切りをしたその指でずっと指折り数えて待った、いつ来るとも知れぬ再会の日。
 ついに足を踏み入れたこの江戸で、やっと会えると胸が弾んだ。

【2012/09/14 up】